宇宙太陽光発電、ついに実証実験へ

2022年度から日本政府は「宇宙太陽光発電システム※1」の実現に向けて、宇宙空間で太陽光パネルを展開する実証実験を開始しました。パネルの大型化や送電技術の確立などの技術面や、コスト負担などの予算面での課題を克服し、脱炭素社会を支えるエネルギー源として、2050年までの実用化を目指すと表明しました。

宇宙対抗発電は、天候や昼夜に左右されず、安定的に地上よりも強い太陽光を利用できるの上、発電時に温室効果ガスも排出しないのが利点です。日本政府は50年の温室効果ガス排出量の実質ゼロの達成に向けて宇宙対抗発電の実用化に向けて取り組みを強化していく方針を確認しました。

また、発電後に3万6000キロ離れた地上に送電する技術の確立も課題となるでしょう。

米国や中国は、温室効果ガスの排出削減に貢献する宇宙太陽光発電に関して研究開発を加速しています。米国は空軍研究所が本格的に研究をはじめ、中国も宇宙空間に発電システムを建設する計画が立てられているようです。

※1宇宙太陽光発電とは？　宇宙空間に太陽光の電池を設置し、マイクロ波を用いて地上に電力を送り利用する発電所のことです。天候や昼夜を問わずに発電できるので安定的な電力を得ることができる。